
私は今までの人生で犬を飼ったことがありませんでした。ふとしたきっかけで10歳になる頃のトイプードルの飼い主になりました。4年とちょっとの月日が経過し、先日お別れをしてきました。
お別れすることになる1年ほど前にがんが見つかり、摘出手術をしましたがそれから少しずつ弱っていった様子でした。亡くなる一ヶ月くらい前までは元気に歩く姿を見せてくれていました。
まだ心の傷は癒えていませんが、というか癒えることはないのでしょうが、飼い主になる機会をくれた愛犬に感謝しています。愛犬と過ごした4年間は私の人生の中で最も充実して楽しい日々でした。そんな私が犬を飼うまでに知らなかったことを書いてみようと思います。もうすでに成犬になっていたので、小さいうちから飼う場合はまた違う発見があるのかと思いますが、私が犬の飼い主になるまでまったく予想もしていなかったことや驚きがたくさんありますので、そのいくつかを紹介します。これから犬を家族に迎えようと考えている方々の参考になればと思います。ちょっとネガティブに感じるだろうこともありますが、それも含めて紹介します。
散歩が楽しい
毎日散歩へ行くといつも通っている道なのに新しい発見をさせてくれます。ゆっくり近所を歩いたり、普段行かないような公園に行ってみたり、自宅から近い場所にあるドッグランに行ってみたりするなどする経験を通して街の見え方が変わりました。
犬を飼っていない時は15分で済むような距離を30分や1時間かけて散歩するのは楽しかったです。夏場はアスファルトが熱くなりすぎていないか気にかけたり、冬場が暖かい日中に散歩するようになったりするのも今までにない経験でした。
毎日同じ道を通っているとだんだん道を覚えることができて、いくつかの散歩ルートを使い分けているようでした。自宅から15分ほどの場所にある実家によく行っていたのですが、自宅から実家の場所まで自分で行くんですよね。道を変えようとしても踏ん張って動かなくて。いつも散歩の時は自分のペースで、自分の好きな道で実家まで通っていました。
犬の1日はほぼ寝てる
ほとんど寝てましたね。散歩は朝晩行っていましたが、日中はあっちで寝たり、こっちで寝たり。ベランダに日が差す時間帯になると窓のそばまで行って「窓開けてよ」って振り返りながら見てきたり。そんで外に出たら敷いてあげた座布団の上でまた寝て。たまにおしっこして水飲んでまた寝て。こっそりお菓子食べようとすると袋の音に気づいて近寄ってきて。もらえないことがわかるとまた寝て。そんな1日を毎日過ごしていました。
来てくれるとなんか嬉しい
ほぼ寝てるからっていうのもあったと思うのですが、昼寝しているとそばに近寄ってきて一緒に寝たり、夜寒いと布団の中に入ってきたり。なんか嬉しかったなぁと思える行動が日常にたくさんできました。
意外とちゃんと意思表示をする
唸ったり吠えたり飼い主にアピールする場面では、何を伝えたいのかなんとなくわかるようになりました。「おしっこしたからお尻拭いてよ」「散歩行きたい」「お出かけするなら連れてってよ」「お水ください」「そのお菓子私にもください」「撫でてよ」「布団に入れてよ」などなど。
しかし、最後までわからないことが一つ。歳をとってからは何を食べたいかだけはわかりませんでした。特にお別れまでの一年間はそうでした。老犬だからということもあったのかな。それまではささみをよく食べていたけど、食べたり食べなかったりになってきて。野菜はあんまり食べてなかったけどトマトやブロッコリーを爆食いする日があったり。食べないと思ってやめたらやっぱ食べるみたいな感じの日もあったなぁ。仕方なく食べてたような気もします。
元気なうちはパクパク食べるので、なんでも食べるなぁとかお肉好きなんだなぁとか思っていましたが、食べてくれなくなってからは何をあげたらいいのかわからなくて試行錯誤の連続でした。それだけ身体が弱っていたからなのか、年老いて食思が変わってしまったのか。謎は解けないままでしたが、とにかく晩年はご飯をあげるのが大変でした。
水の違いがわかる
古い水のままだと飲まずに見上げてくるんですよね。みていないところで変えたはずなのに、変えたばかりだとそのまま飲む。変えたふりしてそのままあげてみたこともありましたが飲まなかったので、おそらくわかっているのかなというのが驚きでした。
外食の頻度が減る
旅行と同様に行けないことはないのですが、長時間家を空けることはあまりしないようになりました。個人的には焼肉に行く頻度がとても減ったように思います。うなぎやそばなどペット可の場所がなかなかないものもありました。
カートがあれば行ける場所が増える
飼い主になるまで気にかけたことがなかったのですが、ワンちゃん用のカートを利用すれば意外とショッピングモールなどに行くことはできました。そういった場所にはペット可のカフェやレストランがあり、ペットと一緒に買い物を楽しむこともできました。
また、カートがなくても抱いたままならお店に入っていいですよと声をかけてくれる路面店などもありました。
アウトレットはペット可の店舗かどうかが入り口に書いてあったりもして、過ごしやすかったです。
海外旅行に行きづらいが、ペット可のホテルは意外と多い
ペットホテルなどを利用すれば海外へ行くことは当然可能なのですが、離れるのも寂しいし、ペットホテルに預けるのもかわいそうだし、結果的に愛犬だけを残して海外に行くことはなく、愛犬も一緒に国内旅行をするのがメインとなりました。
意外と温泉付きの旅館がペット可であったり、星野リゾートのようなハイグレードのホテルでもペット可の部屋があったりしたので、どこへ行くにもペットフレンドリーなホテルを見つけることはできました。ペット専用ホテルであれば専用ドッグランなどが付いていましたし、ペット可のレストランを教えてくれるので現地での散歩や食事に困ることはありませんでした。
旅行先で外食する場所が見つかりづらい
旅行をする際はペット可の食事処を事前にリサーチすることが必要です。腹減ったなぁ、なんか食べようかなぁ、というようなその場で思いついて行動しようとしても、ペット可の場所を探すのが大変です。地方だと当然近くにない場合もあります。テラスのみ可能という場所も多く、寒い時期は運良く近くに見つけられたとしてもテラスでご飯食べるのはちょっとキツイなという場面が何度ありました。愛犬との旅行は最高の思い出ですが、気軽に思いつきでご飯を食べるのはしづらかったなぁと思います。
食事処としてのおすすめは、パーキングエリアや道の駅です。寒い時期は暖かい方面への旅行がいいと思います。泊まるところの周囲にペット可のホテルが密集しているような場所では現地で食事処を見つけやすいです。ワンちゃんとの旅行は移動中にちょっと寄り道するくらいにして、食事は基本的にホテルやその近辺で済ませるようにし、のんびり過ごすのが良かったです。
歳をとるとおしっこに失敗する
トイレまで間に合わないのか、よく見えていないのか、寝ぼけているのか、床に匂いが付いてしまっているのか、よくわかりませんが、晩年はトイレの失敗が増えました。カーペットなどの敷物の上に用を足してしまうこともしばしばありました。
散歩の時にうんちをさせておけば家でうんちはそんなにしない
朝晩に散歩へ行っていた頃は室内でうんちすることはほとんどなかった気がします。たまに雨で散歩に行けない時などは家でうんちすることもありました。
足腰が悪くなる
考えてみれば当たり前ですが、歳を重ねると関節が痛むのか、体力がなくなるのか、動きが遅くなってきます。腰も曲がってきます。階段を登ったり、長時間散歩に行くと身体に負担があるのかもしれないと思うようになり、カートを導入するようになりました。いつまでも元気に走っているのかと思っていましたが、人間と同様に歳を重ねると共に身体のケアを飼い主が考えてあげることが大切でした。
小さい子供との相性はあまり良くない
小さい子供側の問題ですが、子供は力加減がわかっていませんし、歩きがおぼつかない時期は犬の上に倒れ込まないか心配でいつもヒヤヒヤしていました。ブドウや玉ねぎなど、犬にあげていけないものも子供はわかっていませんので、食事の時はいつも目が離せませんでした。
ペット用のおしっこシートが汚れていてもその上に乗ろうとしたり、用を足しているところに近づいていって驚かせたり、寝ているところお構いなしに撫でようとしたり。そのうち、犬の方が子供を警戒するようになっていたように思います。
子供自体が大人の真似をするので、同じようなことをしようとするのですが、撫でたり抱っこしたりは初めのうちは難しかったです。次第に撫で方などは優しくできるようになりました。一緒に散歩していると子供がリードを持とうとすることがよくありましたが、あちこちに注意が逸れてしまうし、他の通行人に気遣うことやすれ違うワンちゃんへの対処もうまくできなかったので、常に目が離せませんでした。
最後に
まだまだあるのですが、ひとまずこの辺に。ワンちゃんによって個性があると思うので、必ずしも同じではないと思いますが、我が家のワンちゃんはこんな感じでした。
旅行や外食などは飼い主さんのライフスタイルによっても異なるかと思います。日中仕事をしていてワンちゃんだけにするのが致し方ない場合もありますかね。我が家の場合は日中は近くの実家に預けていてほとんどワンちゃんだけにすることはなかったので、やや分離不安気味になっていたように思います。
思い出したらまた書き足していこうと思います。書いていて思いましたが、記憶が薄れないうちに記録しておくのはいいですね。これ見たらいつもの姿や思い出がいつでも思い出せる気がします。写真や動画もたくさん残っていますが、日々の出来事も綴っておけばよかったなぁと思いました。
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